● 煮込むほどに美味しい
丹波には特産と呼べる味覚は丹波栗、黒豆などたくさんありますが、冬の味覚といえばこれ!
イノシシの肉自体は厚いわりには淡泊で。熱い肉を口に入れても火傷しないといわれています。煮込めば煮込むほどますます柔らかくなり、また精が強いため食するほどに体がほてってきます。
篠山では多くのお店でぼたん鍋を賞味できます。これから寒くなる季節、ぜひ篠山へと足を運んで下さい。
★ぼたん鍋専門店のご紹介(外部サイト)
ぼたん鍋が食べられるお店のご紹介(篠山観光情報サイト)
★煮込むほど美味いぼたん鍋講座
寒い底冷えのする冬の夜には篠山のぼたん鍋がよく似合う インターネット検索で人気のページ
★丹波篠山牛&イノシシ肉をつかった料理全集
ぼたん鍋の起こり
明治時代、肉食禁止が解かれると、兵庫県篠山町でみそ仕立てのぼたん鍋が 生まれ、さらに食用として広く親しまれるようになりました。
篠山に陸軍歩兵部隊第70連隊が駐屯すると、彼らは訓練と称して捕獲したイノ シシの肉をみそ汁にして食べ、さらにアレンジしたものが「ぼたん鍋」の起源に
なっているといわれています。
篠山で過ごした若者は全国にぼたん鍋の存在とその中でも美味しいのは丹波篠山産ということを広めたといわれています。
(市内の猪肉専門店発行のパンフレットから)
なぜぼたん鍋と呼ばれるか?
猪肉を煮込むとあぶらみがちぢれてぼたんの花のようになるという説。また、大皿にぼたんの花を形どって並べると鮮やかな肉のいろどりが牡丹の花のようであるということからという説があります。
鹿肉はもみじ、イノシシはぼたんとくれば、花札の絵柄を連想するのですが、猪は萩で、牡丹は蝶で花札とは関係はありません。。
なぜうまい篠山の猪の謎?
篠山と静岡の天城山、岐阜県の郡上とが日本の3大名産地といわれています。
が、中でも丹波篠山産は絶品美味のほまれが高いのです。
その一つの原因は、先に述べた起源にみるように軍人による口コミです。
次に猪が育った環境にあります。
山々は高くなくてもよく、岩山や起伏に富んだ険しい形である方が良質の猪は育つといわれています。雑木林や竹やぶを体をぶつけながら走る回ることでたくましく育ちます。
3つ目には食べ物が要因でしょう。
猪は雑食性で大食漢。
篠山は昼夜の温度差が大きく、この気候が篠山の数々の野の幸、山の幸を作ってきました。秋にとれた猪肉は木の実の香りと味がしみこんで、実に美味いといわれます。豊富な木の実に加え、栗、松茸、山の芋、黒大豆、コシヒカリなどをたらふく食べる当代随一の美食家であり、美味くないはずがありません。(市内の猪肉専門店発行のパンフレットから)
デカンショ節と阿波踊りの意外な接点 イノシシが結ぶ歴史の縁
丹波篠山のデカンショ節と阿波踊りとはイノシシと篠山ということで意外な接点がありました。
デカンショ節には
「♪雪がチラチラ丹波の宿に ししが飛び込むぼたん鍋♪」
という一節があります。しんしんと冷え込む篠山で浴衣姿の旅人があたたかいぼたん鍋をつつく姿を連想させるこの節は、数あるデカンショの歌詞の中でも最高傑作のひとつではないでしょうか。
イノシシがユーモアに登場する民謡はデカンショだけではありません。あの阿波踊りにも登場します。
「♪ささやまとおれば笹ばかり。イノシシ豆喰てホイホイ♪」
「ささやま」「豆」(黒豆)も出てくることから一般にはこれは丹波篠山のことを唄ったものと想像されます。なぜ阿波徳島の民謡に「丹波篠山」が出てくるのでしょうか。
その昔徳島を治めたのは蜂須賀小六で有名な蜂須賀氏でありました。実は篠山藩の家老も代々蜂須賀氏であったのです。1988年に書かれた「徳島市政だより」に詳しく調べられています。蜂須賀氏はもともと尾張にありましたが、宗家が篠山に分家が徳島へと分かれることになりました。そのあたりのことも、「徳島市政だより」に詳しく記述されていますが、蜂須賀氏は数奇な運命をたどったことがわかります。
阿波踊りの起源についても諸説ありますが、昔からある地域の民謡をベースにときの権力者蜂須賀氏の影響も加わって形成されたと見るべきでしょう。
いずれにせよ徳島の蜂須賀氏が遠く篠山を想って唄ったものと思われます。
シシ食ったむくい?
世の中には「シシ食った報いで・・・・・」とか「シシ食えば古傷がうずく」など肉食を禁じた仏教思想の因果応報に基づくようなことわざがあります。
これは本来「シシ食うてぬくい」が変化したものではないかといわれています。関西弁で「ぬくい」とはあたたかいの意味。猪の肉は身体をぽかぽかと暖かくします。それが「よくないことをして悪い結果に終わるとなったのは、猪鍋好きが自分たちの楽しみを奪われたくないと思ってのことからという説もあるぐらいです。彼岸花は家に持ち帰ると火事になるという話もありますが、これも飢饉の際の非常食として植えた彼岸花を子どもたちにむやみにとらせないためだといわれています。
また、古傷がうずくとは「古傷がうずくほど精が強い」という意味のようです。