黒豆は『まめに働く』の縁起物ながら、くろうまめ(苦労豆)!
天地人3つの要件の上に成り立つ特産丹波黒大豆
  
移植作業

冬季に土作りを行い、春、丁寧に耕起したほ場に一本一本苗を植え付けます。

管理機による培土
培土後

土寄せ(培土)は、植物の生育だけでなく、雑草処理にも効果を発揮。2,3回おこなう。
 黒豆はお正月のおせち料理の定番ですが、これは黒豆が栄養価の高い健康食品であるのと「マメに働く」という言葉に掛けた縁起物の意味があります。
 地元では黒豆を指して「くろう(苦労)まめ」とも呼ばれます。とにかく手間がかかります。水稲の4~5倍は、労働力を要します。兼業農家のサラリーマンは、ほぼ春から秋の休祝祭日は黒豆を中心とした農作業に費やすということも珍しくありません。機械化も進み以前と比べると随分と楽になったといわれますが、それでも他の作物にはない長期間の根気がいる作業の連続です。
作業の第1弾は、冬季の土作りから始まります。有期堆肥などを土壌に入れ、しっかりと耕起します。田植えの終わった6月畝立したほ場に黒大豆の苗を1本1本丁寧に植え付けます。(この移植以外に直播も行われています。)収穫前の黒豆畑
植え付けてから収穫までの間、黒大豆とほ場の管理に大きな労力を要します。培土、雑草処理、病害虫の予防、水の管理など農家にとって休む暇はありません。
個人が手作業で行うには限度があり、機械化して共同で行おうとする機運が盛り上がります。
1970年代中半転作が始まって以降、共同作業や機械の共同利用を目的とした生産組合が、次々と結成されていきます。全国でも最も多い数になりました。

 丹波篠山に特産としての黒大豆が生まれ、育ったのは、肥沃で粘土質の土壌と温度差があり霧の深い気象条件に加え、丹波杜氏を生み出した忍耐強さがあったからといえます。天と地と人という3つの要件を備えた「丹波篠山の風土」が丹波黒大豆を生み出したといえます。
 天即ち天候・気候はひとの力であがなえません。丹波黒大豆を生む篠山盆地の気象は、天の恵みです。土壌もまた自然のなせる技ですが、それを地力として維持していくのは先人からたゆみない土作りの結果に他なりません。
 電気柵  水を走らせた畝  共同防除風景

山間部では獣害対策も必須事項。電気柵が必要なことも。

夏の渇水期には、水管理が必要。昼間の焼け付くような時間帯では、豆を傷めることになり、逆効果に。

最も労力のいる病虫害防除。生産組合で共同作業として行っているところも多い。
大山スイカ
真夏の特産!大山スイカ
篠山市観光情報